第20回 1980年〜89年(1):80年代総論

○今回の年表

1980年 1月26日 中東 エジプトとイスラエルが国交を樹立する。
  5月8日 世界 世界保健機関(WHO)が、天然痘の根絶宣言。
  7月19日 ロシア モスクワオリンピックが開幕するが、日本、アメリカなど67が不参加(ボイコット)を表明。
  9月17日 東ヨーロッパ ポーランドで独立自主管理労働組合「連帯」が結成される。
  9月22日 中東 イラン・イラク戦争勃発。
12月8日 アメリカ ジョン・レノンが銃殺される。
1981年 10月6日 中東 エジプトのサーダート大統領が暗殺。14日にムバラク副大統領が大統領に。
1982年 4月2日 南米 アルゼンチン軍、イギリスと領有権を争っていたフォークランド諸島を占領(フォークランド紛争勃発)。6月14日、イギリス勝 利で終結。
  8月17日 ヨーロッパ フィリップスが世界初のCDを製造。10月1日には、ソニーが世界初のCDプレーヤー発売。
9月2日 日本 国鉄のリニアモーターカーが、世界初の有人浮上走行実験に成功。
10月13日 日本 NECが「PC−9801」を発売。
1983年 7月15日 日本 任天堂がファミリーコンピュータを発売。
1985年 3月11日 ソ連 ゴルバチョフがソ連共産党書記長に就任。
  9月22日 アメリカ アメリカのニューヨークでG5がプラザ合意。
1986年 1月28日 アメリカ スペースシャトルのチャレンジャー号爆発事故。乗組員全員が死亡する。
2月25日 フィリピン エドサ革命が起こり、マルコス大統領が国外脱出。アキノ大統領が誕生する。
  4月15日 中東 アメリカがシリアに空爆を行う。
  4月26日 ソ連 ウクライナ(ソ連)でチェルノブイリ原子力発電所事故が発生する。
1987年 4月1日 日本 日本国有鉄道(国鉄)が分割民営化し、JR7社が発足。
7月1日 ヨーロッパ 単一欧州議定書が発効する。
  12月8日 アメリカ・ソ連 レーガン大統領とゴルバチョフ共産党書記長、中距離核戦力全廃条約(INF全廃条約)に調印
1988年 1月1日 ソ連 ゴルバチョフ書記長主導で、ペレストロイカを開始する。
3月13日 日本 青函トンネルが開通する。
4月14日 中東 ソ連がアフガニスタンからの撤退に合意(ジュネーブ合意)。翌年2月に撤退完了。
8月20日 中東 イラン・イラク戦争が停戦。
11月15日 中東 PLOがチュニジアのチュニスでパレスチナ国家独立を宣言。
  12月2日 パキスタン ベナジール・ブットが同国首相に就任。イスラム国家初の女性首相。
1989年 1月7日 日本 昭和天皇崩御。皇太子明仁親王が即位し、元号を「平成」とする。
  4月21日 日本 任天堂がゲームボーイを発売。
  6月4日 中国 天安門事件が発生する。
6月 ポーランド 自由選挙が行われ、非労働党政党「連帯」が上院過半数を獲得。
10月23日 ハンガリー 社会主義を改め、ハンガリー共和国となる。
11月24日 チェコスロバキア チェコスロバキアでビロード革命。共産党政権が崩壊する。
12月3日 米ソ ブッシュ大統領(父)とゴルバチョフ最高会議議長がマルタ島で会談し、冷戦の終結を宣言(マルタ宣言)。
12月22日 ルーマニア ニコラエ・チャウシェスク政権崩壊。
  12月29日 日本 日経平均株価が史上最高値の38,957円44銭を記録。しかし、翌年からバブル崩壊へ
 

○はじめに

 今回は「80年代」というキリのよりスパンで歴史を見ていきましょう。いきなりエジプトとイスラエルが国交を樹立するという、中東では前代未聞の事態から幕を開けることになる一方、イランとイラクが8年にもわたる戦争を行い、後の湾岸戦争勃発の要因ともなります。

 一方、西ヨーロッパ諸国に目を転じると、1980年にポーランドで独立自主管理労働組合「連帯」が結成されたのを契機に民主化運動が過熱。さらにソ連でゴルバチョフ政権が誕生してからは、改革が進められたこともあり、これまでのようにソ連が強権的に弾圧することなく、1989年には平和裏に民主政権へ移行。これを契機に、東ヨーロッパ諸国で同年中に次々と社会主義政権が崩壊し、1989年は東欧革命と呼ばれるほどになりました。そして1990年には東西ドイツがついに統一しています。

○CDと家庭用ゲーム機の登場

 1980年代はCDが発売され、高品質な音楽を家庭で手軽に楽しめるようになったほか、ファミコンやゲームボーイが任天堂から発売され、家庭用ゲーム機が日本はもちろん、世界で一気に普及するようになりました。CDは今でも現役ですし、あの形状はDVDやブルーレイでも引き続きお馴染み。ゲーム機はその後も様々な後継機種に進化しながら、今も家庭によくある存在になっていますね。

 さて、それでは次回は中東の動きについてみていきましょう。

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