12.大英博物館(古代エジプト、アッシリアの彫刻関連)

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 夕方からは念願の大英博物館を見学します。通常は17時30分までなのですが、金曜日は20時30分まで見学が可能。というわけで本日の観光のラストにもって来ました。収蔵数700万点にも達し、このうち15万点が常設展示されています。大英帝国時代に植民地から持ち込まれたものも多く、返還運動も起こされていますが、とりあえず観光客としては、良好な保存状態で、世界中の品々を一同に見ることが出来る大変ありがたい施設。しかも、入場は無料。

 さあ、中に入ってみましょう。グレート・コートと呼ばれる中央には、旧大英図書館の施設であった壮麗な円形閲覧室が残されており、まずはこれを是非見たかった・・・のですが、本日は企画展である「死者の書」展が開催。一抹の望みをかけて、拝観料を払って入りましたが、殆ど閲覧室の雰囲気を見ることは出来ませんでした。

 「死者の書」展自体は、エジプトの死生観が良く解って大変面白いものでした。ただ、これを見たために常設展を見る時間が大きく失われたのは、果たして良かったのか悪かったのか。ちなみに死者の書とは、古代エジプトで死者とともに埋葬されたパピルスの巻き物のことで、死者の霊魂が肉体を離れてから冥府の国に入るまでの過程が描かれています。

 ・・・あんなに色々な種類があるとは思わなかった・・・。

 とりあえず、孟保世所員が2006年に撮影した写真で円形閲覧室を紹介。う〜ん、これ見たかったなあ。では、これより展示物を紹介していきます。当初は何枚か写真だけ載せて終わりにしようと思いましたが、しっかり展示物の解説を翻訳しておかないと、写真を死蔵するだけになりそうなので頑張ります。ただ、翻訳が間違っていたらごめんなさい。

 見ている最中は、解説を撮影し、展示物を撮影し・・・と忙しいのなんのって。そして、あまりの膨大な収蔵量に、いくら事前にメモリーカードを増強したといっても、途中から残量が青くなってきました(笑)。

エジプトの彫刻(Egyptian sculpture 2600 BC〜2nd century AD/Room 4)

 展示室の全景。写真右手、多くの人が注目しているのはロゼッタストーン!

 ロゼッタ・ストーンは1799年、ナポレオン・ボナパルトによるエジプト遠征の際にエジプトのロゼッタで発見された石碑で、エジプト語の神聖文字(ヒエログリフ)と民衆文字(デモティック)、そしてギリシャ文字で同様の内容が書かれています。ギリシャ文字は当時の学者が解読できたことから、これをベースにヒエログリフとデモティックが解読できるに違いない!と、多くの研究者が朝鮮をした結果、最終的にジャン=フランソワ・シャンポリオンによって解読され、エジプト考古学が大きく進展しました。

 ヒエログリフとデモティック。これを解読するとは・・・。

 巨大な頭部は圧巻。

アッシリア:ニネヴェ(Assyria: Nineveh 700〜692 BC/Room 9)

 新アッシリア王国首都のニネヴェ(現在の北イラク)にあった、センナケリブ王(紀元前704〜681年)サウスウェスト宮殿の部屋と中庭を展示した部屋。詳細に彫り込まれた石パネルで飾り付けられていました。

アッシリア:ニムルド(Assyria: Nimrud 883〜859 BC/Room 7 and 8)

 新アッシリア王国のアッシュールナツィルパル2世(在位 紀元前883〜紀元前859年)はニムルド(現在、北イラクの)に造ったノースウェスト宮殿の遺構の展示。これは、王の私室に続く門を守ったレリーフではないかと考えられています。頭は人間、翼を持った雄牛なのが特徴です。

 壁面の展示。

 裁判の様子が描かれています。

 鷹人間でしょうか。

 アッシュールナツィルパルの標準的な碑文。

アッシリアの彫刻とバラワトの門
(Assyrian sculpture and Balawat Gates 11th〜8th centuries BC/Room 6)

 バラワトにあった、新アッシリア王国のシャルマネセル3世(在位 858〜824年)の宮殿門を原寸で復元したもの。

 門を守る翼を持った人頭のライオン。紀元前865年〜紀元前860年のものと思われ、ニムルド(現在、北イラクの)に造ったノースウェスト宮殿にありました。

 シャルマネセル3世の黒オベリスク。イスラエル王イエフがシャルマネセル3世に平伏し、貢物を献上する様子とそのリストが刻まれているそうです。

アッシリアのライオン狩り (Assyria: Lion hunts 645〜635 BC/Room 10a)

 古代のアッシリアでは、ライオン狩りが王のスポーツであると考えられていました。この展示は、アッシリア最後の偉大な征服者であるアッシュールバニパル(在位 紀元前668年〜紀元前627年頃)の狩りの様子を、宮殿に刻んだものです。

 展示物の1つ。描かれているのは古代の戦車ですね。

 矢が当たったライオンなどが描かれています。

 戦車(チャリオット)に喰らいつくライオンと抵抗する兵士。

アッシリア:コルサバド(Assyria: Khorsabad 710〜705 BC/Room 10c)

 新アッシリア王国のサルゴン2世によって造られた新都ドゥル・シャルキン(現在のコルサバド)の宮殿に関する展示。