クラス171「ターボスター」
British Rail Class 171 'Turbostar'
イングランド最南東の非電化区間を担当するクラス171。 写真は2連のクラス171/7。
(撮影:ライ駅、Rye Station)
●基本データ
デビュー年 | 2003年 |
製造会社 | ボンバルディア・トランスポーテーション(Bombardier Transportation) |
最高速度 | 160km/h |
運行会社 | サザン(Southern, SR) |
運行区間 | オクステッド線 ●ロンドン・ブリッジ(London Bridge)〜アックフィールド (London Marylebone) マーシュリンク線 ●アッシュフォード・インターナショナル(Ashford International)〜ヘイスティングズ(Hastings) |
編成詳細 |
171/7 2連x10本 |
●連結器が換装されたクラス170の派生型
求められたのは電車との互換性
イギリス南部の路線網を受け持つサザン(SR)は2003年にクラス170を2連x9本と4連x6本をボンバルディアから発注。同年8月にはクラス170/7と定められた2連の編成が納入され、2004年5月からマーシュリンク線で営業運転を開始し、クラス205、207を含む多扉式の旧型気動車を置き換える。これらの編成はクラス170標準のBSI式連結器が装備されていた。しかしSRの意向で走行不能に陥った列車を救助できるようクラス170/7の連結器を同社が運行するクラス377のデルナー式のものと互換性を持たせることが決定。2004年9月から改造工事は始まり、他のクラス170との互換性がなくなったことを示すためにクラス171/7に改称。4連x6本の編成には新造時からデルナー式連結器が備わっており、クラス171/8という形式名が与えられた。2007年にSRはサウス・ウェスト・トレインズから2連のクラス170/3を一本入手しクラス171/7へ改造したため、同系列は10本に増えた。
171/7は主にイングランド南東では数少ない非電化区間であるアッシュフォード〜ヘイスティングス間のシャトル列車に充当されている。現在のダイヤではアッシュフォードからブライトンまで通しで運行する列車もある。4連のクラス171/8はより乗客が多いロンドン〜アックフィールドの列車を主に担当している。アックフィールド線の輸送力増強のために車両を増備することが決まり、2015年4月に当時スコットランドの運行会社であったファースト・スコットレイル(First ScotRail)からクラス170/4が3連x4本SRに転属。クラス171への改造工事を現在受けており、2016年中には営業運転に復帰する見込みだ。
(解説・撮影:秩父路号、2016年3月更新)
●カラーバリエーション
4連のクラス171/8。ロンドン〜アックフィールド間の列車を担当する。
(撮影:サウス・クロイドン駅、South Croydon Station)
クラス171が装備するデルナー式自動連結器 |
クラス170標準のBSI式自動連結器 |
普通席の様子。SRのコーポレートカラーである緑を基調としている。
単線で離合するクラス171/7。
(撮影:ライ駅、Rye Station)
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Today's Railways: Issue 168 (December 2015), "The Turbostar Family"
・Southern E-Group: Class 171