イノトランス2012〜LRT編〜
こちらでご紹介するのは路面電車や新交通システム用に開発された車両達。1960〜70年代のモータリゼーションの波で縮小・廃止された路面電車ですが、21世紀に突入してからは車の騒音、排気ガス、道路混雑、石油の原価高騰などの理由で勢力を盛り返し、世界各国では路面電車を新しく展開したり、路線網を拡張する都市が多くなっています。
フランスでは特に盛り上がっており、近年ではトゥルーズ(2010年)、ランス(2011年)、ディジョン(2012年)、ブレスト(2012年)の各都市にトラムが開業しています。そんな拡大する市場に売り込むべくこれらの新型トラムは製造されました。それでは、近未来を催す車両達をどうぞ。
まず、上写真はトルコのダーマズラ社(Durmazlar)のシルクワーム(Silkworm、カイコの意)。確かにサイドミラーが少し昆虫らしい雰囲気を出してますね。
ドイツのシュタドラー社(Stadler)のタンゴDT8.12。低床車ではなく、通常のホームに合わせて高さが設定されています。シュツットガルト市電が20編成導入予定です。
ポーランドのソラリス社(Solaris)のトラミノ(Tramino)。ポズナンの路面電車で運行されていて、ドイツの都市にも売り込みを行っています。路線系統を運転席上部の丸い表示機で示すのがポズナン流らしい。
ルーマニアのアストラ・ヴァゴアーネ社(Astra Vagoane)のインペリオ(Imperio)。地元であるアラドと首都のブカレストで採用される事を試みています。ナローゲージ(1000mm)と標準軌のモデルがあるようです。
チェコのシュコダ社(Skoda)のフォーシティ(ForCity)。都市のため、となんとダイレクトなネーミングだろう!現在はラトビアの首都、リーガで導入されています。
フランスのアルストム社(Alstom)のシタディス・デュアリス(Citadis Dualis)。路面軌道はもちろん、通常軌道で在来線と共に走れる用に最高速度は100km/hで設計されています。現在フランス国鉄がナントで運用中。
ドイツのフォスロ社(Vossloh)のトラムリンク(Tramlink)。ゴツい機関車で有名なフォスロですが、トラムにも事業を拡大しています。現在はドイツのロストックとスペインのレオンで運用中。
ドイツのハイターブリック社(HeiterBlick)のヴァモス(Vamos)。開発にはフォスロも関わっていて、ドイツのビーレフェルドで運行しています。
ヴァモスの内部でございます。
ポーランドのPESA社のツイスト(Twist)。PESAが開発している路面電車の最新シリーズで、現在はポーランド南部の都市、チェンストホヴァで運用されています。
言わずと知れたドイツのボンバルディア社(Bombardier)のフレキシティ・クラシック(Flexity Classic)。フレキシティ・シリーズの中では最も従来の路面電車に近いデザインです。展示されていた車両はポーランドのクラクフの仕様でした。
同じくボンバルディアのフレキシティ2(Flexity 2)。フレキシティ・シリーズの最新進化系で、イギリスのブラックプールでデビューしています。後にゴールド・コースト(オーストラリア)、バーゼル(スイス)、アントワープ(ベルギー)でも導入予定です。
■ 以下、車両の種別ごとに御紹介
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