クラス155「スーパー・スプリンター」
British Rail Class 155 'Super Sprinter'
リーズとハダーズフィールドのローカル列車を担当する旧ノーザン・レイルのクラス155。
(撮影:ブラムリー駅、Bramley Station)
●基本データ
デビュー年 | 1987年 |
最高速度 | 120km/h |
製造会社 | ブリティッシュ・レイランド(British Leyland) |
運行会社 | アリーヴァ・レイル・ノース(Arriva Rail North, ARN) |
運行区間 | カルヴァーデール線(Calverdale Line) ●リーズ(Leeds)〜ブラッドフォード・インターチェンジ(Bradford Interchange)〜ロッチデール(Rochdale)〜マンチェスター・ヴィクトリア(Manchester Victoria) ●リーズ〜ブラッドフォード・インターチェンジ〜ハダーズフィールド(Huddersfield) ハロゲート線(Harrogate Line) ●リーズ〜ハロゲート(Harrogate)〜ヨーク(York) |
編成詳細 |
製造時:クラス155 2連x42本 |
●大半が改造されてしまったスプリンター
導入背景、クラス153への改造
イギリス国鉄の旧型気動車を置き換えるたえ1987〜1988年に2連x42編成がブリティッシュ・レイランド社によって製造された。イギリスでは比較的珍しい23メートル級の車両を使い、カミンス製(Cummins)のエンジンとフォイト製(Voith)の動力伝達機器を採用した。クラス155はクラス156と共にスプリンターの中でも「スーパー・スプリンター」と呼ばれるグループに入っていて、ペイサー気動車と同じようなパネルをボルトで固定する軽量車体の構造である。
1988年に早速イングランド北部の非電化路線に投入されたものの、初期不良が多かった。特にイギリス製の気動車としては初めて採用されたプラグドアに誤作動が多く、誤動作を起こし走行中に開く事例もあったがいずれそれらの問題は解決した。クラス155の信頼性が安定してきた頃、イギリス国鉄は支線で運用されている旧世代のクラス121と122を置き換える政策を打ち出した。当初はこれらを二軸車であるクラス142などのペイサーで置き換える予定だったが、線形が悪く急勾配がある支線に不向きだったのでクラス155が流用される事になった。35本に運転台を新設する改造工事を行い70両の単両のクラス153に改造された。ウェスト・ヨークシャー交通局(WYPTE, West Yorkshire Passenger Transport Executive)が保有していた7本は改造されずに原型のままで走っている。ちなみにクラス155はローカル支線の郵便輸送にも使用されていたために郵便室があったが、現在では乗客に解放され荷物置き場となっている。
民営化後の動向
国鉄の民営化後の1997年からはアリーヴァ・トレインズ・ノーザン、そして2004年からはノーザン・レイルが運行。2016年4月からはクラス153に改造されなかった7本がアリーヴァ・レイル・ノース(ARN)に所属しており、他のスプリンターと共にイングランド北部の非電化路線を走っている。主にリーズ〜マンチェスター・ヴィクトリア(カルヴァーデール線)とヨーク〜ハロゲート〜リーズ(ハロゲート線)で運用されている。元々ウェスト・ヨークシャー交通局の紅色とクリームの塗装だったが、これからはARNの塗装に更新される予定だ。
(解説・撮影:秩父路号、2016年4月更新)
●ギャラリー
クラス155の車内。全車普通席で2+2列配置。
クラス155は他のスプリンター気動車系列と併結できる。写真の編成の後方にはクラス150が繋がっている。
(撮影:リーズ駅、Leeds Station)
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Martin Loader's Railway Photography: Class 155
・Wikipedia: British Rail Class 155