クラス444
British Rail Class 444 'Desiro'
顔はクラス450と同一だが貫通扉の幌の上部が削られており、上部ライトの光が妨げられないようにしてある。
(撮影:ウール駅、Wool Station)
●基本データ
デビュー年 | 2004年 |
最高速度 | 160km/h |
製造会社 | シーメンス |
運行会社 | サウス・ウェスト・トレインズ(South West Trains、SWT) |
運行区間 | サウス・ウェスト本線 ●ロンドン・ウォータールー(London Waterloo)〜ベイジングストーク(Basingstoke)〜プール(Poole)〜ウェイマス(Weymouth) ●ロンドン・ウォータールー〜ベイジングストーク〜ポーツマス・ハーバー(Portsmouth Harbour) ●ロンドン・ウォータールー〜ギルドフォード〜ポーツマス・ハーバー ●ロンドン・ウォータールー〜オルトン(Alton) (ラッシュ時のみ) |
編成詳細 |
クラス444 5連x45本 |
●サウス・ウェスト本線が誇る都市間急行列車
導入背景と動向
サウス・ウェスト・トレインズ(SWT)が長距離・快速用に5連x45本を2001年に発注。2002年11月に初編成がシーメンスのウィーン工場で落成し、翌年11月に英仏海峡トンネルを通ってイギリスに配送された。営業列車への導入を早めるために低速走行の認可のみを得た状態で2004年4月にロンドンと港町のポーツマスを結ぶポーツマス・ダイレクト線でデビューを果たした。この時最高速度は135km/hに限定されていたが同年内に高速走行の認可が降り、160km/h運転が可能になった。
当初はロンドンとポーツマス間の快速列車に投入され、次第に編成数を増やしていったが、運用トラブル等で導入が予定より遅れた。更に第三軌条システムの電力不足の影響もあり、プール以西へは走れない制限がついていたがそれも後に解消された。2007年にはクラス458の再導入で余剰になったクラス450がポーツマス・ダイレクト線を担当し、クラス444はロンドンとウェイマス間の列車を運行するようになる。この影響でクラス442が運用から外れ、サザン(Southern)へ転属した。
クラス444の仕様
編成の構成は2M3Tで、Mc-T-T-T-Mc。都市間運用を意識してドアが一枚扉で車端に設置されており、車内はデッキで区切られている。普通車も2+2列で、クラス450と比べて長距離の旅に適した内装である。一等席は片方の先頭車の半分だけ設けられており、2+1列配置で各座席にコンセントが備わっている。もう片方の先頭車は全席普通席だが、こちらもテーブルの下にコンセントがある。クラス444の車両は全長23メートル級で、10連の編成は20メートル級であるクラス450の12連に相当する。中間車の一両にはパンタグラフを設置するための窪みが屋根にあり、小規模改造を行えば架線式交流25kVの電化路線でも走行できるようになっている。
(解説・撮影:秩父路号、2016年3月更新)
●ギャラリー
伝統的にSWTの速達列車用車両は白いベースに同社の親会社であるステージコーチ社のコーポレートカラーのアクセントが入っている。ラッシュ時は10連で運転する。
(撮影:ウィンブルドン駅付近、Wimbledon Station)
普通席の様子。都市間輸送を意識して2+2列配置でテーブル席もある。
一等席の様子。2+1列配置で座席元にはコンセントがある。
デッキ付近と車イス用トイレの様子。
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Southern E-Group: Class 444
・Railway Gazette: Desiro UK's big sister emerges