クラス507 

British Rail Class 507


第三軌条路線用に開発されたクラス507。
(撮影:ベビングトン駅、Bebington Station)

●基本データ

デビュー年 1978年
最高速度 120km/h
製造会社 イギリス国鉄鉄道工学部門ヨーク工場 (BREL York)
運行会社 マージーレール(Merseyrail, ME)
運行区間 ウィラル線(Wirral Line)
●ニュー・ブライトン(New Brighton)〜リバプール・ライム・ストリート(Liverpool Lime Street)〜ニュー・ブライトン
●ウェスト・カービー(West Kirby)〜リバプール・ライム・ストリート〜ウェスト・カービー
●エルズミア・ポート(Ellesmere Port)〜リバプール・ライム・ストリート〜エルズミア・ポート
●チェスター(Chester)〜リバプール・ライム・ストリート〜チェスター

ノーザン線(Northern Line)
●ハンツ・クロス(Hunts Cross)〜カークビー(Kirkby)
●ハンツ・クロス〜オームスカーク(Ormskirk)
●ハンツ・クロス〜サウスポート(Southport)
編成詳細

クラス507 3連x33本

事故により1編成が廃車、32編成が現存


●マージ―サイドを支える通勤型車両

 時は1977年、ビートルズ発祥の地であるリヴァプール近郊の列車は1940年以来、クラス502で運行されていて置き換えの車両が必要になった。ロンドンでのクラス313の活躍を元に第三軌条直流750V専用に製造されたのがこのクラス507。クラス313と同様イギリス国鉄が開発した「1972年デザイン」の車両で、二番目に製造された。

運用の歴史
 当初イギリス国鉄は3連x47編成を導入する予定だったが、経費節減のため最終的に発注内容は33編成に減らされた。1987年にデビューし、1938年以来使われて続けてきたクラス502と503を置き換えた。1991年にカークデール車両基地で起きた衝突事故により1編成失われ、現在は32編成が存在する。それ以来ずっと同じ線区を走り続け、国鉄民営化時にはリヴァプール周辺の列車を担当するマージーレール(ME)に所属するようになった。

 2002年から2005年にかけてアルストムが大幅な改装を行い、防犯カメラとLED表示が設置されたり、先頭車のデザインが変更された。座席も元々は低い背もたれのもので3+2列の配置だったが、2+2列に変更され座席も更新され、自転車や身体障害者用のスペースも確保されている。現在クラス507は現役車両の中でかなり古い部類であり当初は2014年頃に引退する予定だったが上記のリニューアルが施され置き換えは延期。クラス508と共に2020年代前半まで活躍する予定である。

クラス507の仕様
 Mc-T-Mcの3両編成の構成で片側の先頭車にコンプレッサー、もう片側にバッテリーが備わっている。登場時はクラス313と同様の前面で当時の国鉄のコーポレートカラーである紺色と白のツートンカラーに塗られていたが、民営化に際して更新。車両前面のデザインもクラス317/7にも見られるシャープな形状に変更された。

(解説・撮影:秩父路号、2016年3月更新)

●ギャラリー


クラス507は編成の片側が上記のグレーベース、もう片側がオレンジ色ベースのラッピングが施されている。
(撮影:ポート・サンライト駅、Port Sunlight Station)


車内の様子。リニューアル時に高背もたれの座席に取り換えられ、マージーレールのコーポレートカラーである黄色を取り組んだモケットが採用された。


リヴァプール市内の地下区間はかなり古く、丸い断面が使用可能な車両を限定している。
(撮影:リヴァプール・ライム・ストリート駅地下ホーム、Liverpool Lime Street Station Low Level)


第三軌条用の集電シュー。先頭車の中間車寄りの台車に備わっている。


中間付随車の様子。
(撮影:ベビングトン駅、Bebington Station)


先頭車に設立された車イス用スペース。

●参考文献・ウェブページ

・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2
Wikipedia: Class 507
Angel Trains: Class 507/508

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