クラス314
British Rail Class 314
グラスゴー中央駅で待機する改装済のクラス314。スコットランド最古の電車でもこれから5年は使用され続ける予定。
(撮影:グラスゴー・セントラル駅, Glasgow Central Station)
●基本データ
デビュー年 | 1979年 |
最高速度 | 120km/h |
製造会社 | イギリス国鉄鉄道工学部門ヨーク工場 (British Rail Engineering Limited, BREL York) |
運行会社 | アベリオ・スコットレイル(Abellio ScotRail, ASR) |
運行区間 | キャスカート環状線(Cathcart Circle Line) ●グラスゴー・セントラル(Glasgow Central)〜キャスカート(Cathcart)(内回り、外回り) ●グラスゴー・セントラル〜ニュートン(Newton) ●グラスゴー・セントラル〜ニールストン(Neilston) インヴァークライド線(Inverclyde Line、ラッシュ時のみ) ●グラスゴー・セントラル〜ウィームズ・ベイ(Wemyss Bay) ●グラスゴー・セントラル〜グーロック(Gourock) ペイズリー・カナル線(Paisley Canal Line、閑散期のみ) ●グラスゴー・セントラル〜パイズリー・カナル(Paisley Canal) |
編成詳細 |
クラス314 3連x16本 |
●スコットランド古参の通勤電車
導入背景と運用
クラス314は同系列のクラス315と同様、集電が架線式交流25kV専用の車両で1979年にイギリス国鉄がスコットランドのグラスゴー近郊のアーガイル線とノース・クライド線に16編成導入した。現在ではそれらの路線はクラス318、334や320の担当となっており、クラス314は主にキャスカート・サークル線やペイズリー・カナル線で運用されている。ヨーク車両工場で落成した時は旧国鉄のターコイズと白のツートンカラーだったが、民営化と同時にストラスクライド交通局のオレンジと黒に変更された。2006年には小規模改装が行われ、マルーンとクリーム色の塗装になった。
スコットランドで最古の現役電車ということでクラス380の導入で引退するかと思いきや、2011年の春から大掛かりなリニューアル工事が実施された。車体の錆びや磨耗を修復し、内装を新品のものに交換され塗装も最新のスコットランド国旗をモチーフにしたものにされ、2013年に全編成の改装が終わった。
クラス314の仕様
一編成3連で、先頭の制御者が電動車となっており、中間の付随車はパンタグラフが設置されている(Tc-M-Tc構成)。グラスゴー中心部のトンネル区間を走行するため、クラス313と同様に非常用の貫通扉が設置された。車内は通勤型仕様の3+2列配置で、座席はイギリス国鉄車両によく見られる低背もたれのものを使用。
(解説・撮影:秩父路号、2016年4月更新)
●ギャラリー
車内の様子。全車普通車で独特な低背もたれ座席を使っている。
車両のパンタグラフ下部は天井が少々低くなっている。
2006年から2012年頃まで使用されていたマルーンとクリーム色の旧ストラスクライド交通局塗装。
(撮影:カークヒル駅, Kirkhill Station)
リニューアル以前の車内の様子。
デッキ付近は乗客の昇降を滑らかにするため広くスペースを取ってある。(リニューアル前) |
運転台直後の座席部分はデッキとの仕切りが異なる。 (リニューアル前) |
パンタグラフが設置された中間車。
(撮影:ニュートン駅, Newton Station)
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Angel Trains: Class 314 - Abellio Scotrail
・Wikipedia: Class 314