クラス376
British Rail Class 376 'Electrostar'
濃霧の中朝ラッシュの列車を担当するサウスイースタン(SE)のクラス376。
(撮影:ロンドン・ブリッジ駅、London Bridge Station)
●基本データ
デビュー年 | 2004年 |
最高速度 | 120km/h |
製造会社 | ボンバルディア・トランスポテーション(Bombardier Transportation) |
運行会社 | サウスイースタン(Southeastern, SE) |
運行区間 | ロンドン南東通勤路線 ●ロンドン・チャリング・クロス(London Charing Cross)〜ベックスリーヒース(Bexleyheath)〜ダートフォード(Dartford) ●ロンドン・チャリング・クロス〜ウリッジ・アーセナル(Woolwich Arsenal)〜ダートフォード ●ロンドン・キャノン・ストリート(London Canon Street)〜ベックスリーヒース〜スレイド・グリーン(Slade Green)〜ウリッジ・アーセナル〜ロンドン・キャノン・ストリート ●ロンドン・キャノン・ストリート(London Canon Street)〜ウリッジ・アーセナル〜スレイド・グリーン〜ベックスリーヒース〜ロンドン・キャノン・ストリート ●ロンドン・キャノン・ストリート〜シドカップ(Sidcup)〜スレイド・グリーン〜ウリッジ・アーセナル〜ロンドン・キャノン・ストリート ●ロンドン・チャリング・クロス〜ヘイズ(Hayes)、セブンオークス(Sevenoaks) ●ロンドン・キャノン・ストリート〜ルイシャム(Lewisham)〜ヘイズ |
編成詳細 |
5連x36本 |
●卵型の顔がチャームポイント
導入背景と運用
クラス376は当時イギリスの南東路線を運行していたコネックス・サウス・イースタン(Connex South Eastern)が発注したが、2003年に英運輸省にフランチャイズを剥奪され、実際に車両を導入したのは政府直属の運行会社であるサウス・イースタン・トレインズ(South
Eastern Trains)だった。5連x36本
現在はロンドン・チャリング・クロスとキャノン・ストリートの両ターミナル駅を起点とする通勤路線を担当している。
クラス376の仕様
前述の通りクラス375を通勤仕様に改造したような車両であり、まず目につくのが車両前面の貫通扉の有無。クラス375とは違い、併結した編成が異なる目的地に行くような運用はないので、運転手の視界の確保と同時にメンテナンスを容易にする事ができるので貫通扉はつけられなかった。ドアは乗客の昇降時間を短縮するために幅が広げられ、従来のプラグドアとは異なり信頼性のより高いスライドドアを採用。車内も定員を増やすための仕様で、短距離での乗車を想定して空調とトイレはない。
集電方法は第三軌条直流750Vだが、屋根にパンタグラフ設置用の窪みがあるなど必要あらば架線式交流25kVの元で走行できる仕様である。頻繁に加減速を行う事を想定されているため4M1T構成(Mc-M-T-M-Mc)。車両のメンテナンスはスレイド・グリーン車両基地の他、ラムズゲート車両基地でも行われる。
(解説・撮影:秩父路号、2016年4月更新)
●ギャラリー
旧サウス・イースタン・トレインズのクラス376。ロゴマーク以外塗装に変更はない。先頭車のドア上部の青い印は車イス用スペースがある事を意味している。
(撮影:チャールトン駅、Charlton Station)
通勤仕様の車内。一等席は無く、座席は立ち席の乗客を増やすために2+2列配置。
デッキ付近の様子。乗客の昇降を滑らかにするためかなり広く、手すりも設置されている。
(撮影:セント・ポール大聖堂、St Paul's Cathedral)
●参考文献・ウェブページ
・「Traction Recognition, Third Edition」 (Ian Allan Publishing) ISBN 978-0-7110-3792-2・Kent Rail: Class 376 Metro "Electrostar"
・Southern E-Group: Class 376 "Electrostar"
・Wikipedia: British Rail Class 376